X3Dとは、AMDが開発した「3D V-Cache™」テクノロジーを採用したRyzenプロセッサの特別モデルに付けられる名称です。
🧠 X3D = 「3D Vertical Cache」の略
「X3D」の「3D」は、「3次元的に積層されたキャッシュ」を意味しています。通常、CPUのL3キャッシュは2D(平面)に配置されますが、X3Dでは以下のような特徴的な構造が採られています。
🔍 特徴・仕組み
項目 | 内容 |
---|---|
📦 3D積層構造 | L3キャッシュチップをCPUダイの上に垂直に重ねる(3Dスタック)技術を使用。TSMCの「SoIC」などの技術が使われる。 |
🧮 キャッシュ増量 | 通常のRyzenよりも約3倍のL3キャッシュ容量を搭載(例:Ryzen 7 5800X → 32MB / 5800X3D → 96MB) |
🎮 ゲーム性能向上 | キャッシュが大きいため、メモリアクセスを減らせて、ゲームやレイテンシに敏感な処理で高性能を実現 |
🔌 低TDP動作 | 高効率なため、TDPは控えめ(例:Ryzen 9 7950X → 170W、7950X3D → 120W) |
🎮 どんな人に向いているの?
- ✅ ゲーム特化:FPSやRTSなど、CPUレイテンシに敏感なゲームで抜群のパフォーマンス
- ✅ 省電力・静音志向:電力効率が良いため、TDPが低くて静音PCにも向く
- ❌ マルチスレッド重視のクリエイター用途では、標準モデルの方がパフォーマンスが安定することもあります(特に一部の非ゲームアプリケーション)
🧩 対応ソフトやアーキテクチャ
- 対応アーキテクチャ:Zen 3以降(Ryzen 5000X3D、7000X3D、9000X3Dなど)
- ゲームだけでなく、データベースや一部のエンジン開発など、キャッシュヒット率が高い処理にも有効
📌 代表的なX3Dモデル(抜粋)
モデル | コア/スレッド | キャッシュ合計 | 備考 |
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Ryzen 7 5800X3D | 8 / 16 | 96MB | 初のX3Dモデル(Zen 3) |
Ryzen 7 7800X3D | 8 / 16 | 104MB | ゲーム性能に特化(Zen 4) |
Ryzen 9 7950X3D | 16 / 32 | 144MB | Zen 4世代の最上位 |