Nvidiaで普段VRChatをやっている人がRadeonに変えようと思ったとき、一番気になるのは、自分が普段使っている環境とどのくらい大きな違いがあるのかわからないということではないでしょうか?
例えば
- 描写がNvidiaのRTXシリーズと全く違うのではないか?
- Radeonに乗り換えたときに、VRChatが普通にできるのだろうか?
- シェーダー問題はどうなったの?しっかり表現できるの?
というようなことが気になると思います。そこで、今回、Radeon検証機を購入したので、ワールドの描写に違いがないか、めぐってみました。
そもそもRadeonって何?どんなラインナップなの?って人は、下記をご覧ください
RadeonでVRChatをプレイする際は、注意点がいくつかあります。それを把握していること前提で記載しています。メリット、デメリット必ずあります。詳しくはこちら。
今回使ったPC
今回、すぐにRadeon環境に問題がないか、検証したかったため、即納モデルを購入しました。値段は20万円です。即納モデル&Radeon機種は少ないため、正直自作などと比べるとはるかに割高です。即納やBTOにこだわらなければ、もっと安くできると思います。GPU単体で7万円前半で購入できるコストパフォーマンスに優れたものになっています。
PC:GALLERIA RM7R-78XT 5700X搭載 『Minecraft: Java & Bedrock Edition for PC、PC Game Pass同梱版』https://www.dospara.co.jp/TC30/MC17107.html
PCスペック概要はこちら。グラボはRadeon RX 7800 XT 16GB GDDR6 OCです。
CPU | AMD Ryzen 7 5700X (3.4GHz-4.6GHz/8コア/16スレッド) |
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CPUファン | (空冷式) 12cmサイドフロー大型CPUファン |
CPUグリス | ノーマルグリス 熱伝導率: 0.8W/m・K程度 |
グラフィック機能 | AMD Radeon RX 7800 XT 16GB GDDR6 OC (HDMI x1,DisplayPort x3) |
電源 | 750W 電源 (80PLUS GOLD) |
メモリ | 16GB (8GBx2) (DDR4-3200) |
開封~デスクトップモード:大きなつまづきなし
BTOだと、購入してすぐ届いてすぐできるのがいいですね。
即納PCでやったことは、Windowsの更新作業ぐらいで、他ドライバの入れ替えなど意図的には一切やっていません。開封してからだとトータルで2時間位かかりました。設置が一番時間がかかり、PCの中にインストールしたのは、SteamVRとSteam、VRChat、クロームくらいです。
OSインストール済みの状態から、デスクトップモードでInの設定にかかった時間は、おおよそ0.5H未満です。デスクトップのInは問題なし。まずはデスクトップでログインできました。

普通に入れました。




以降の写真は、カメラで撮影した場合と、画面を直接スクショした場合とでわかれます。
というのも、PC画面のスクショで撮影した場合、VRモードで入ったとしても、デスクトップモードで入ってもエラーなどは、VRゴーグル特有の問題などではないとわかると思ったからです
VRモードで入った場合
では、VRゴーグルでもInしてみましょう。インストール済みの状態から、デスクトップモードでInの設定にかかった時間は、0.5H未満でした。インできなかった理由は、Displayport端子のさし忘れミスで少々時間をロスしたからです。
VRゴーグル(HMD)は、Valve Index ベースステーション2.0×4,Indexコントローラで実施しました。
・リフレッシュレート:90Hz/(動画は120Hzで撮影)
・スムージング:ON(動画はOFF。以下記事に書いた内容は、スムージングONOFF関係なく表れています)
・プレイ時間:8時間ほど問題なく連続起動しました。8時間後、不在時に「SteamVRに重大なエラー」と表示され、切れていました。(この点はRTX3080tiでも発生します)


ちなみに、ライトハウス方式は広いスペースが必須ではなく、狭い部屋でも立位のみを設定することで、狭いところでもプレイ可能です。
ワールド巡り開始
ではさっそく、ワールド巡りをしていきます。今回、30ほどめぐりましたが、写真は後程追加します。
一般的なユーザーがよく訪れるフジヤマやJPTといったワールド、チルワールドのふゆのぬくもりなどいろいろ訪れました。写真やワールド紹介は後日アップしていきます。
注意事項
今回、写真をアップし、ワールド紹介しているのは、Radeonでどのように見えているのかを比較するものであって、ワールド製作者様などクリエイター各位にRadeon対応をしてとお願いしているわけではありません。対応機材は、クリエイターに決定権があると私は考えております。本記事を理由にRadeon対応してなどと強要するのはお控えください。実際に強要などがあった場合は、私までご連絡ください。
第一回に訪れたワールドは、様々な作者のいろんなワールドにいきました。まずは、こちら。理由は、ライテルさんがいたからです。

Radeonで撮影した様子がこちら。PCモードの時と同じワールドで撮影しました。
大きくNvidia RTX 3080Tiと違うと感じた点
一番気になる描写についてですが、RTX 3080Tiと比べて、以下が違っていました
・コントラストがはっきりくっきり描写されている
・ワールド全体が白い(明るい)
・ワールドによっては、たまにぐにゃーんとなるときがある
ただ、こんなの明るさ調整しなよで済む範囲なのかもしれないし、モーションスムージングオフにすればいいでしょ?って話なのかもしれない。
とにかく、Nvidiaと違和感があった点はこの2つでした。「全然普通に遊べますよ」とはちょっと程遠いです。VRChatは「Create,Share,Play」を掲げているクリエイターが非常に多いSNSです。クリエイターさん抜きでVRChatを語るのは、かなりおかしな話です。
表現にこだわる人にとっては、結構違うというか、だいぶ違うときもありますが、どのようなシチュエーションや状況でも、「Nvidiaの時と全く同じで、全然普通に遊べますよ」というくらい同じではなかったです。
水面や鏡面の反射の描写がNvidiaと比べて、まぶしい
写真では、なかなか現れないので、口頭での表現になってしまうのですが、例えばこのワールド

カメラモードで撮影した状態だと、屋形船から桜を見上げることができます。しかし、実際は以下のような感じです。以下は、PC画面越しのスクショで撮影したものです。


このように、実際カメラでとった写真の映り方と画面の映り方が大きく違いました。
(最盛直後に、画面一面の緑色のノイズが発生することがありますが、VRモード検証時は発生しませんでした)
全般的に、水面や鏡面の反射の描写がNvidiaと比べて、まぶしいときが多いです。ちなみに、同じ作者様の違うワールドや直近の水を使ったワールドにも行ってみましたが、問題と感じるレベルではないが、とにかく違和感は確実にありました。

特に、2023年以前の古いワールドで、滝の水しぶきの表現や水中からライトを見ると、真っ白になり、まぶしいと感じました。ちなみに、これはカメラでの撮影なので、スクショだともっとまぶしくうつったはずです。

このあたりは、RTX3080Tiで訪問したことがないが、白すぎのような気がします。
同じ作者様の最近のワールドで、水の表現を使ったワールドでも、全体的に白が強い、コントラストが強いという印象でした。ただ、こちらの場合、問題ない範囲でしたので、GPUの違いからでるものかなという印象です。
Nvidiaで来たときも、もともと少しまぶしめなワールドなので、耐えられないかなと思ったけれど、極端に白くなったり、反射が強くなったというわけでもなかったです。こちらは画面からのスクショです。この辺りが少しよくわからなかったです。
古い新しいが関係しているのか?反射が関係しているのか?謎は深まるばかりです。

別のワールドにも行ってみると、やはり全体的に明るい印象

ワールド製作者次第で白くなるというわけでなく、全体的に白い。
これは調整でいけるかもしれないが、ヘッドマウントの明るさを変えても、全体的に明るい&白いので、Radeon特有の傾向だと思われます。
フジヤマのポリゴンローディングなど
フジヤマ含め、描写は全体的に白っぽいが、GPUの範囲内なのかなという印象。全体的に明るいが、極端にまぶしい表現などはありませんでした。

次に行ったのが、Japan Street

この付近で発生したことだが「画面がぐにょーん」と歪むような描写がされることがありました。この学校付近で、なかなかつらかったので、いったん離脱しました。RTX3080Tiではなかったので、結構違和感ありました。(スムージングOFF、120Hzに変更でも関係なし)
次は、こちらのワールドの日中版。
https://vrchat-fbt.com/nostalgic_winter_riverside

問題となるような表現はなく、むしろRadeonのほうがきれいなんじゃないかと思いました。
お砂糖マッチングワールドも大きな問題なし

どのワールドにも一般的においてあるタグマーカー、AvatorNow、バチャマガやBOOTH、イベントカレンダーなど普段みる掲示物やペンの表示がおかしくなることはありませんでした。
ポピー横丁も全体的にあかるいが、それ以外に大きな問題になるものはありませんでした。

メスガキパンツ闘牛にあるイラストもはっきりくっきりしている感じで、問題はないです。ただ、Nvidiaで言ったことがなかなかないので、全体的に明るいのかもしれない。いや明るいと思う。

次に行ったのが、ふゆのぬくもり。ここは自分のポスターがあるので、わかりやすい
全体的に明るいのはわかるが、やっぱり何かを通過して光る表現が、全体的に白く明るめだ。
ここの場合、黄色が白に見えてしまっている感じだ。

一時報告はここまでで、記事はどんどん追加していく予定です。
全体的にまぶしいといっても、個人でワールドをめぐるぐらいの利用なら許容範囲だと思われるます。しかし、まぶしいワールドもあり、ほかのNvidiaユーザーと比べて表現が変わっているのは事実です。
Radeonの関連記事は、今までメリットだけしか言わない、普通に遊べる、自分から見て違いがわからなかったなどNvidiaユーザーというよりは、Radeonユーザーが既存品に対してどれくらい性能が上がったか?Nvidiaと比べてスペックがどう違うか?FPSなどの情報がほとんどで、既存Nvidiaユーザーが気にしている色や色調についての記事はあまりありませんでした。
しかし、そのような書き方では、既存のRadeonユーザーのみが役立つだけで裾野が広がりません。また、Nvidiaの製品が高価&VRAMが少ない&最高位シリーズの5090の消費電力が半端ない状況です。ドライバが成熟してきた現状こそ、Radeonのすそ野を広げる最高の機会です。
とはいっても、Radeonにとって都合のいいことだけ記載することは一切しませんでした。今回、NvidiaとRadeonのPCを比べることで、より色や表現の違いがある程度実感できたかと思います。
上記記事とは別に、ワールドを20個ぐらいめぐって撮影したので、追加していきます。

様々なQVペンがあるガンべりちゃんのワールドですが、異常は特にありませんでした。
水にこだわりのあるこのワールド

他のワールド同様に白っぽい、明るすぎる以外は特にありませんでした。下リンク先に2070 SUPERのフレンド(よきぶいっ!)が撮影した動画配信がある場合があります。違いなどを把握したい方は、そちらの動画をご覧ください。

当サイトで紹介している「よきぶいっ!」メンバーの上記ワールドも、特に問題ありませんでした。しかし、下記のように明暗はっきり分かれているワールドや

以下のような、反射が多い環境だと結構まぶしいです。

また、反射面の反射した部分が若干遅延しているようにも見えました。この辺りは、3080Tiと異なる感じでした。
やはり水や光の表現でまぶしくなってしまうところがあります

雨見神社のケースだと、境内の桜に包まれた階段を上るのですが、桜が白くなりすぎているように見えました
正月によく行くこのワールドは、初日の出がまぶしいです。
https://vrchat-fbt.com/gionstreet

フレンドが作ったワールドは、特に問題ありませんでした。

以下は、明るい&白いと感じたこと以外は特に問題ありませんでした。チルワールド、ホームワールド、睡眠ワールド、追従ギミックがあるワールド、風景ワールド、誕生日用ワールドなどなど様々なものに行きました。








ぶいちゃ感謝祭リハーサル
5/27 非常に多人数が集まるイベント、ぶいちゃ感謝祭2025年の負荷テストに参加してきました。主催を含め、多くの人が落ちる悪条件の中、こちらの検証機でトライしたところ、参加者全員を表示した状態で、FPS30程度を常に保ったまま、問題なくインスタンス内にいることができました。フレンドのミントちゃんが、ほぼ真っ白なのには驚きました。(ワールドの影響で白くなることはあるけれど、Nvidiaの時よりも真っ白だった)
また、セフィラちゃん4周年のイベントにも参加してきました。アバターであるセフィラちゃん、シェーダーなどの異常はなく、全体的に白い&明るい以外の大きな問題なく表示されていました。

水のような透明な液体を透過して光る際は、屈折率の関係上、光は拡散するのですが、真っ白に拡散する傾向がRadeonにはあるようです。また、暗いワールド、明るいワールド、どちらも明るくしてしまうため、VRゴーグルの照度を下げるなどの対応は必要かもしれません
こういう人にRadeonは、向いている、向いていない
現時点で、Radeonに切り替える点において、向いている人と向いていない人は以下の通りです。
〇:向いている
・RadeonとNvidiaの発色や反射、発光の違いを許容できる人
×:向いていない
・RadeonとNvidiaの発色や反射、発光の違い許容できない人
・CUDAの使用が必要な人他
現状24時間ほどしか検証していませんが、VR機材、ドライバ更新などのトラブルも見ていきます。
やはり上記の発色、反射、発光の違いがあるので、「Nvidiaのグラフィックボードのユーザーに対して、アバター、衣装、シェーダー、アセットなど」を発売するクリエイターは、ユーザー数が多いNvidiaのほうに合わせたほうが、都合やメリットが大きいかと思います。
ここを「問題」ととらえるか?「人と違ってもいいよ」なのかは、やはり個人次第だと思います